新型デリカD:5実車レビュー|内装・外装・3列目シート・荷室を徹底チェック

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ミニバンと聞いて、どんなクルマを思い浮かべるだろうか。
広い室内、快適なシート、家族を乗せるための実用性。もちろん、それらはミニバンに欠かせない魅力だ。しかし、三菱デリカD:5は少し違う。
このクルマを眺めていると、なぜか週末の予定を考えたくなる。
海へ行こうか。それとも山へ出かけようか。
お気に入りの道具を積み込んで、まだ行ったことのない場所へ走り出す。そんな光景が自然と浮かんでくるのだ。実は、30代から40代の頃、デリカD:5が欲しいと思ったことがある。あれから年月が過ぎ、クルマに求めるものも少しずつ変わってきた。それでも今回、改めて実車を目の前にすると、当時と変わらない魅力を感じた。
力強いエクステリア、機能性を重視したインテリア、予想以上に快適だった3列目シート。そして、細部に感じられる三菱らしいクルマづくり。

今回確認したのは、2026年1月に発売された大幅改良型デリカD:5の上級グレード「P」。

展示車の車両・オプション合計価格は546万5,900円に達する。決して安いクルマではない。
それでも、このクルマには価格や装備の数字だけでは語れない魅力がある。
今回は実際に展示車を見て、触れて、座って感じたことを、豊富な写真とともに紹介したい。

※本記事は展示車の内外装レビューです。試乗による走行性能の評価は行っていません。

目次

SUVの力強さをまとったエクステリア。その存在感は唯一無二

今回展示されていたのは、ムーンストーングレーメタリックとブラックマイカのツートーンカラーをまとったPグレード。落ち着いたグレーのボディとブラックのアクセントが、デリカD:5のタフな印象を一段と引き立てていた。

大胆なフロントマスク。今回のデザインはかなり好みだ

今回のデリカD:5で、まず気に入ったのがフロントマスクだ。三菱自動車のダイナミックシールドを採用した力強い顔つきは、一般的なミニバンとは明らかに異なる。個性的なデザインだけに好みは分かれるかもしれない。しかし、個人的には今回のフロントマスクはかなり好きだ。

無骨さを残しながらも、どこか洗練された雰囲気がある。

特に今回のツートーンカラーは、このデザインによく似合っていた。アウトドアフィールドはもちろん、街中に停めても絵になりそうだ。

華やかさを競うのではなく、自分自身の個性で勝負する。

そんな潔さが、デリカD:5の魅力なのだと思う。

サイドビューから伝わる、道具としての頼もしさ

横から眺めると、ミニバンとしての実用性が見えてくる。背の高いボディ、大きなウインドウ、スクエアなキャビン。室内空間を確保するための合理的な形状でありながら、ホイールアーチや足元のデザインがSUVらしい雰囲気を演出している。
ブラック系のホイールも印象的だった。こういうクルマは、少し汚れているくらいが似合うのかもしれない。
海辺の駐車場でも、山のキャンプサイトでも、きっと自然に風景になじむはずだ。

リアビューにも感じる、デリカらしい個性

リアは、フロントほど主張が強いわけではない。しかし、スクエアなボディと大きなバックドアが、このクルマの実用性を物語っている。

見た目の美しさだけではなく、人を乗せ、荷物を積み、さまざまな場所へ出かける。

そんな使い方が自然と思い浮かぶデザインだ。

道具感と上質さを両立したインテリア

華やかさよりも機能性。運転席に座って感じたこと

デリカD:5の運転席に座ってみる。

まず感じたのは、華やかさよりも機能性を大切にした空間づくりだ。

インストルメントパネルは水平基調でまとめられ、各種スイッチや操作系が分かりやすく配置されている。近年の高級車に見られるような、ディスプレイを中心とした華やかな演出とは少し方向性が異なる。どこか機械らしさを感じさせる、実直なデザインだ。個人的には、こういう雰囲気は嫌いではない。
クルマを単なる移動空間ではなく、使い込む道具として捉えたとき、このインテリアには独特の魅力がある。

プラスチック感はある。それでも安っぽいとは感じない

正直に言えば、インパネや内装の一部には、ややプラスチック感を覚えるところもあった。500万円近い車両価格を考えれば、もう少し質感が欲しいと感じる人もいるだろう。しかし、細部まで見ていくと印象は少し変わる。要所にはソフトパッドが使われ、ステッチによる加飾も施されている。素材の使い分けによって、無骨さの中にも上質な雰囲気を生み出していた。
もちろん、レクサスRXのような高級SUVと同じ物差しで評価するクルマではない。
デリカD:5に求められるのは、アウトドアでの使いやすさや、日常で気兼ねなく付き合える実用性でもある。そう考えると、この質感のバランスには一定の納得感がある。

物理スイッチを残した操作系にも好感

インパネ周辺には、さまざまな機能を操作するスイッチやダイヤルが並ぶ。タッチパネルに多くの操作を集約するクルマも増えるなか、D:5には独立した物理スイッチがしっかりと残されている。
こうした構成は、実用性を重視するクルマとして好感が持てる。ただし、走行中の操作性については今回確認できていない。

予想以上に快適だった3列目シート

スライドドアを開けて室内を覗くと、そこにはミニバンらしい広々とした空間が広がっている。2列目にはゆとりのあるシートが配置され、乗員が快適に過ごすための空間が確保されている。
そして、今回特に印象に残ったのが3列目シートの居住性だった。
実際に3列目へ乗り込み、シートに腰を下ろしてみた。正直なところ、これほど余裕があるとは思っていなかった。
2列目シートを特別に前方へスライドさせたわけではない。それでも足元には十分なゆとりがあり、頭上にも窮屈さを感じなかった。
3列目というと、どうしても補助席的な空間を想像しがちだ。
しかし、デリカD:5は違った。
少なくとも展示車で確認した限りでは、3列目もきちんと人が座ることを考えた空間になっている。SUVのようなタフな外観を持ちながら、ミニバンとしての基本的な居住性もしっかり確保されていることに感心した。
もちろん、長時間座ったときの快適性や、走行中の振動・静粛性については別の話だ。それでも、実際に座った第一印象は予想以上に良かった。

荷室の使い勝手は?3列目シートとの両立がポイント

デリカD:5のリアゲートを開け、荷室を確認してみた。まず感じたのは、3列目シートを使用した状態では、荷室の奥行きがそれほど大きくないということだ。3列目までしっかりとした居住空間を確保しているだけに、荷物を積むスペースとの両立には限界がある。日常の買い物やちょっとした荷物であれば対応できそうだが、大人数でキャンプに出かけるとなれば、積載方法には工夫が必要になるだろう。

デリカD:5の3列目シートは、左右に跳ね上げて収納する方式を採用している。乗車人数を減らすことで、より大きな荷物を積むための空間を確保できる。ただし、今回は実際にシートを跳ね上げる操作までは確認できなかった。そのため、操作のしやすさや収納後の荷室については、改めて確認したいところだ。人を乗せるときと、趣味の道具を積み込むとき。その使い分けができることも、デリカD:5の魅力だと思う。

電動サイドステップの完成度に驚いた

今回、特に印象に残った装備のひとつが電動サイドステップだ。スライドドアの開閉に連動して、車体下部からステップが展開・格納される。SUVのような力強いスタイルを持つデリカD:5にとって、乗り降りのしやすさは重要なポイントだ。しかし、今回感心したのは、その便利さだけではなかった。

展開されたステップを見ると、まず仕上がりの良さに目が留まった。金属調の踏み面には滑り止めを意識した形状が施され、見た目にも上質感がある。そして実際に足を乗せてみると、想像以上にしっかりとしていた。頼りなさや不安を感じることはなく、十分な剛性感がある。正直なところ、ここまで高級感のある仕上がりだとは思っていなかった。インテリアの一部にはプラスチック感が残る一方で、
こうした実用装備には、しっかりとした造り込みを感じる。
すべてを豪華に見せるのではなく、使う場面を考えて必要なところを丁寧に仕上げる。
そんな三菱らしい実直さを感じさせる装備だった。

動画で見る電動サイドステップの動作

実際に撮影した電動サイドステップの動作も紹介したい。スライドドアの開閉に合わせて、ステップが展開・格納される様子をご覧いただきたい。

高級感とは、必ずしも柔らかな内装材や華やかな装飾だけで生まれるものではない。
実際に使ったときの安心感や、しっかりとした造り。
そこにもクルマの価値はあるのだと思う。

2.2LディーゼルとS-AWC。走りの基本性能にも三菱らしさ

デリカD:5に搭載されるのは、2.2Lの直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンだ。
最高出力は145PS、最大トルクは380N・m。トランスミッションには8速オートマチックを組み合わせる。最高出力だけを見れば、突出して高い数字ではない。しかし、2000rpmで最大トルクを発生する特性は、多人数乗車や荷物を積んだ状態での力強い走りを期待させる。
そして2026年の大幅改良では、三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」が採用された。ECO、NORMAL、GRAVEL、SNOWの4つのドライブモードも備える。ミニバンとしての快適性だけではなく、さまざまな路面環境での走行性能を追求しているところに、このクルマの個性がある。
ただし、今回は展示車の確認のみであり、エンジンのフィーリングや静粛性、四輪駆動システムの実力については評価できていない。
機会があれば、ぜひ実際に走らせて確かめてみたい。

約546万円のデリカD:5は高いのか?

今回確認した展示車は上級グレードのP。車両本体価格は494万4,500円。装着オプションを含めた展示車の合計価格は546万5,900円だった。

約550万円。

決して気軽に購入できる金額ではない。

しかも、インテリアの一部にはプラスチック感が残り、高級車のような華やかさを期待すると物足りなく感じる部分もあるだろう。しかし、このクルマの価値を内装材の質感だけで判断するのは、少し違う気がする。
クリーンディーゼル、四輪駆動システム、S-AWC、3列シート、そして充実した実用装備。
さらに、実際に触れて感心した電動サイドステップの完成度。
これらを総合すると、三菱自動車がこの価格で提供していることには、一定の説得力を感じる。
もちろん、実際の開発費や部品コストの配分までは分からない。それでも、どこを大切にしてクルマをつくっているのか。その方向性は伝わってくる。

見た目の豪華さだけを追求するのではなく、走りや使い勝手といった基本性能にも重きを置く。
そんなクルマづくりに魅力を感じる人なら、デリカD:5は十分に検討する価値のある一台だと思う。

まとめ|デリカD:5が似合う大人は、カッコいい

かつて、初代エスティマというクルマがあった。
従来のミニバンとは一線を画す独創的なデザイン。その姿には、単なる移動手段を超えた、新しいカーライフへの期待があった。
今回、デリカD:5を眺めながら、ふと当時のことを思い出した。
もちろん、両車の方向性はまったく異なる。
初代エスティマが未来を感じさせるミニバンだったとすれば、デリカD:5は冒険心を刺激するミニバンだ。
しかし、どちらにも共通しているものがある。
そのクルマと過ごす時間を想像するだけで、少しワクワクしてしまうことだ。

最近、三菱自動車を見直している。

パジェロ、アウトランダーPHEV、そしてデリカD:5。

それぞれ個性は違うが、実車に触れるたびに、三菱らしいクルマづくりへのこだわりを感じる。
華やかさだけを追い求めるのではなく、走りや使い勝手といった本質的な部分を大切にする。
そんな姿勢が、今の三菱自動車を面白くしているのかもしれない。
実は30代から40代の頃、デリカD:5が欲しいと思ったことがある。
そして今、改めて実車を確認してみても、その魅力は色あせていなかった。

一部に気になるところはある。それでも、このクルマには不思議な魅力がある。
お気に入りのデニムを履き、休日には海や山へ出かける。

年齢を重ねても、自分の好きなものを大切にしている大人。

そんな人がデリカD:5から降りてきたら、きっとカッコいい。

クルマの魅力は、価格やスペックだけでは決まらない。

どこへ行きたいのか。誰と時間を過ごしたいのか。そして、どんな毎日を楽しみたいのか。

デリカD:5は、そんなことまで想像させてくれる一台だった。

大人になったからこそ、もっと遊んでいい。

公式情報・参考資料

本記事の車両仕様・装備に関する情報は、三菱自動車の公式資料を参考にしています。

なお、内外装の写真およびレビューは、筆者が実車を確認・撮影したものです。

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